リリカルなのは劇場版を見てきました。元のアニメを未視聴でも楽しめるように、上手くまとめてあった作品だと思います。しかし、やはり13話分の内容をその半分以下の分量である2時間でまとめた上、TV版だけではなく小説版からの設定や描写も含まれていたため、やや描写される視点が偏っていた気がします。
 なんやかんやで魔法の力を手に入れ、その力で街の異変を解決するために動くという、普通の魔法少女モノのような前半の展開から、ライバルの魔法少女とぶつかり合ううちに相手の事を知り、友情が芽生えるという少年漫画なノリになっていくのが一期の内容なのですが、劇場版だと前半が大きく削られておりライバルであるフェイトとの戦いがメインになっています。戦いの合間にはそれぞれの戦う理由等の描写が挟まれるのですが、フェイトが戦う動機についてはかなり描かれるため理解・共感しやすいのですが、主人公であるなのは側の描写が非常に少ないため、何故フェイトと戦い、理解しあおうとすることにこだわるのかがややわかり難い印象でした。なのはが感じる家族内での孤独がほとんど描かれていない上に戦闘中そのことに関する描写がやや唐突に挿入されるため、同じように孤独感を抱えるフェイトに共感を覚え、分かり合おうとしていることがわかりづらい上に、わかったとしても突然すぎてついていけないのではないかと思います。また、頼まれてではなく自発的に戦おうと決意する場面も削られており、なのはがとても好戦的な少女にみられてもおかしくない描写になってしまっていた気が。ごく普通の小学三年生は怪我する可能性のある魔法の撃ちあいなんてそうそうしたくないと思うんだけど、劇場版だとなんのこともなしに受け入れているので。TV版だと自分がやらないと街が大変なことになるということの再認識と、孤独という点で共通しているフェイトと分かり合いたいという気持ちがあるというところで戦う理由が描写できていたと思う。
 

 まとめると、ややライバル側に比重置き過ぎてる感はあったけど良いアニメだった。


 半日経つと感想もうろ覚えになってしまうものだなあ。