最低SSに重要なことは、完結していないことです。スコッパー間の最低SSの定義としては、二次創作かつ完結していないものである事がほとんどです。最も、完結した場合でも引き合いに出されたり懐かしまれたりはしますが。
 何故最低SS=未完結なのかというと、大抵の場合は流行りのジャンルを追いかけ書きたいことを書いたら風呂敷をたたまずに放置するか、もしくは書きたいことを整合性を無視して無理矢理詰め込んでいくかのどちらかに、大抵の場合なるからです。後者の場合、本筋とは全く関係のないシチュエーションを無理矢理詰め込んだりするのでジャンルすらよく分からなくなったりします。ワンピースの尾田先生がなんかのインタビューで言っていた「ワンピースは色んな島があるからスポーツをやりたいと思ったらスポーツ島を出してやらせる」という展開をスポーツ島という場所を作らずにさせてしまうようなもんでしょう。ところで現状のワンピースの展開を見るとマジでやりそうで怖い。やらないと信じたいけれども。
 上記のような理由で、ほとんどの最低SSは突然更新が途絶えるか無駄に間延びして続いて行くわけです。それゆえ、完結させる=風呂敷を畳めるならば最低SSよりはマシだろう、という考えもあって(多分)、完結したら最低SSじゃない、と言われているわけです。

 
 最低SSの恐ろしいところは読者に感染することがあるところです。最低SSを好んで読む人物は最低SS作家としての才能があるコトが多く、その結果同じような展開が生まれたり、ひどいと二次創作しか読んだ事のないのにその作品の最低SSに手を出したりしますから。ヘイトSSの大半は二次創作によって記号化が進んだキャラを見て、それに嫌悪感を抱いたりすることが原因なんじゃないかと俺は思います。大抵の商業作品では悪行や常識を外れた行動をしたキャラは諌められたりしますから、ヘイトするほど負の感情が溜まることはないと思うんですが、実際のところ原作見てるのにヘイトやってたりするから良く分かりません。
 最近はヘイトが一歩進んで断罪SSなんていうジャンルが出来始めてるみたいですね。断罪て。


 あとnavimasoが書いていますが、最低要素ってのは決して使ったらそれだけでダメ、って言う事はないんです。苦戦してきた敵に圧勝することは敵にやらせれば実力差や絶望感を表すのに効果的な手段ですし、ランク付けなんかも主人公の目的をはっきりさせたりできるし、ランク毎のレベル差をきちんと書けば、説得性も出てきて物語を面白くすることも出来るし、そうすればランクが上がったことで主人公の成長をわかり易く表現したり出来ます。
 ただ、なんで最低SSはそれを活かせないかというと、物語の面白さ云々のためにその要素を使うのではなく、主人公マンセーしたいだけだからです。せっかく強さを表すのに色々と使えるランク付けという要素なのに、主人公が実は最高ランクでした、何てやったら意味がありません。仮に主人公が最高ランクだとしても、最高ランクにふさわしい実力や知識、行動を兼ね揃えていたらそれはそれで面白いのでしょう。が、それが出来ていないから最低SSなわけで。